なぜアラサーで資産形成を考えないといけないのか
最近では至る所で資産形成について話題になっています。
今回はなぜ30代の人が資産形成について考えなくてはいけなくなったのかを記述したいと思います。
特に、最近定年を迎えた我々の親世代までは適度に貯蓄し、しっかり働けばそれなりにゆとりある生活が出来ているのに何が違うのだろう。と考えている30代人に向けて資産形成を真剣に考える必要性を示します。
結論としまして、以下の4点が主要因で、皆さんが定年になる頃の資産が予想しづらくなっています。諸々の格差が広がり、何もしていなければ、最低限と感じる生活すらできない未来になりかねないため、各々の状況に合わせた資産形成を考える必要が出てきました。
・終身雇用の限界が見えだした。
・労働収入の格差が広がっている。
・従来より支出が多くなっている。
・従来ほど手厚い年金を受け取ることが出来なくなっている。
以下にそれぞれの詳細を記述します。
終身雇用制の限界
終身雇用とは、新卒で入社した社員を育て、定年まで一貫して働いてもらう、日本企業で多い雇用形態です。
勤続年数とともに年収が上がっていき、定年まで勤め上げれば十分な退職金をもらうことができました。これにより悠々自適な年金生活を送れていた制度です。
終身雇用が当たり前だったからこそ、親世代は小難しい資産形成は会社に任せきりで、ただ真面目に働くだけでよかったのです。
企業がどんどん成長して余力があるのであれば維持できるのでしょうが残念ながら多くの企業ではそこまでの余裕はなくなっています。
トヨタの豊田章男社長や経団連の中西宏明会長も終身雇用の維持は難しいと言及しています。
様々な大企業でリストラや早期退職も計画されています。
働き方や技術の改革が進み雇用もスリム化されていきます。
終身雇用の維持が難しくなっている理由はグローバル化、デジタル化の推進により、ビジネスを高速化させ、雇用のスリム化を進めないと企業も生き残れない環境になってしまったためです。
定年まで十分な収入を確保し、十分な退職金を受け取ることが出来なくなるかもしれません。
というわけで、従来通りの会社に依存した資産形成は今後通用しなくなっていきます。
労働収入の格差拡大
労働収入の格差拡大も様々な問題がありますが、一例としては非正規雇用の増加が挙げられると思います。
同じように労働して、同じように成果を出しても正規職員と比較すると福利厚生やボーナスで労働収入に大きな違いが生じます。
そして今後の雇用に関してですが、単純作業をするような職種ではそもそも仕事が減っていき、労働単価も下がる可能性があります。
私の勤務先でも推進されていますが、設備の高度化やAIの発達、RPA(ロボティックプロセスオートメーション)の登場によって単調な作業は自動で完了する事例が増えているためです。
どのくらい単調作業が自動化されるか一例をあげます。
・毎月月末にデータベースから最新のデータを抜き出してくる。
・勝手に最新のデータを元にExcelで報告書としてまとめて出力してくる。
・所定の部署にメールで報告書を送信する。
プログラミングの知識がなくてもRPAのツールさえあればこの位のことは自動化できました。事務員さんの工数を月あたり1日分は削減されています。
システム系の部署は1人削減するほどの自動化を達成しました。日々次々と無人化されていっています。
私は製造業に携わる身なので、まだこういった自動化が難しい部分もありますが、銀行や役所のような決まった手続きが多い業種ではこれから10年のうちに事務的な仕事が激減します。
そうすると単純作業を主とする仕事の総数が減っていき、人が溢れてくれば現状よりも悪い雇用条件で働くことになります。
そして、一部の自分を高めることが出来る人々はAIなどに仕事を取られない分野で活躍して豊かになっていきます。
こうして格差が広がってしまうのです。
多くの人は収入が伸び悩んでしまうでしょう。労働収入の減少に備えて資産形成を進め、同じ収入でも効率よく資産を運用できるよう準備しておく必要があります。
従来よりも支出が増えている
まず税金の負担が増える。物価の上昇により 支出が増えています。
・消費税10% 皆さんご存じの通り消費税が10年前と比較すると2倍になりました。
例えば200万円の車を購入すれば、10年前だと10万円だった消費税が20万円発生します。大きいです。
・社会保険料の増加 年収500万円のモデルケースだとここ10年で約58万円→69万円。
10万円増加しています。今後の労働人口の減少を考えるとさらに増加すると考えられます。
・物価の上昇 高機能、高度化された商品が溢れかえるようになり世の中便利になっていますが、物価が上昇しています。
携帯電話:新機種で3万円程度→10万円程度
軽自動車:新車で150万円程度→200万円程度
某ハウスメーカの新築平均価格:2500万円程度→3100万円程度
利便性が向上していることは分かっていますが、それを考慮しても支出としては増えています。
自身の資産を把握して、お金をかけるところ、節約するところにメリハリをつけなければ支出はどんどん肥大化していきます。
年金受給可能な金額が減っている
まず誤解無いように言及しておくと、年金自体は破綻しないと考えています。
また保障の意味でも重要な制度であることも理解しています。
しかし、平均寿命の上昇や労働人口の減少を考えると年金受給年齢の引き上げ、支給額の減額は逃れることは出来ないでしょう。
日本年金機構から引っ張ってきたデータでは、
平成21年 国民年金支給額:月額66,008円, 国民年金保険料:月額14660円
令和1年 国民年金支給額:月額65,008円, 国民年金保険料:月額16410円
となっていました。
保険料は月額約2000円値上げ、受給額は約1000円値下げされています。
再び高度経済成長期とベビーブームが同時にでも来ない限り、この流れは継続するものとおもわれます。
年金だけで生活が保障されるわけではありません。
自分の老後は自分で守る必要があります。
まとめ
これまでは一度就職すれば勤続年数に応じて、ある程度賃金は上昇していきました。
そして退職金と年金があればそれなりの生活が出来ていたため、我々の親世代は難しいことは考えず、貯蓄して真面目に働いていればよかったわけです。
ネガティブな話題を多く挙げましたが30代ならまだ折り返し地点です。
まだまだ巻き返しが効くからこそアラサーで資産形成に関して真剣に考えてみましょう。
資産形成に関して興味がわいた方は下の記事も宜しければご一読下さい。
以上、ここまで読んで下さりありがとうございました。
この記事が皆様のお役に立てれば幸いです。